『DODO MEGURI』という名称は、

「堂々巡り」という言葉から着想を得ています。

この言葉は“同じところ(考え)を何度も巡ること”を意味しますが、

本ガイドでは「同じ場所を巡る」ことを、

人や場所と継続的に関わるための自然なかたちであり、

そこに宿る意味をあらためて見つめ直しています。

現代の私たちのもとには、河川の氾濫のように、

洪水のように、膨大な情報が絶え間なく押し寄せてきます。

その流れから完全に逃れることは容易ではなく、

日常のなかで無意識のうちに情報の波に呑まれていることも少なくありません。

画面の中に存在するInstagramやTikTokといったソーシャルメディアは、

生活に浸透したコミュニケーション手段とも言えます。

しかし、

こうしたSNSが生み出す過剰な情報環境や先回りされた

アルゴリズムから少し距離を取ることが、

生活のリズムや人との関係性を見直すきっかけになる可能性もあると、

私たちは考えています。

『DODO MEGURI』は、

そうした観点から生まれた宮古島のローカルガイドです。

アナログな出会いや、身体感覚にもとづいた巡りを通して、

島ならではのローカルコミュニティとの関係性を再構築することを目的としてい

ます。

繰り返しのなかで立ち現れてくる人との関係や、

その場所が持つ固有の空気(=場所性)──それがやがて、

大きな渦のような、強度をもった「空洞」を生み出していく。

そんなイメージをもとに構想を進めています。

本ガイドで目指すのは、

日々のなかで繰り返される、抑揚のないフラットな時間です。

そこには、

感動や絶望といった強い感情ではなく、

静かに流れる日常の持続性や、人と人との関係の手触りがあります。

「そこに在るものをズラすことによって景色を一層鮮やかな世界として捉え、

見えるようにすること。

あるがままをアルガママにすることにあります。」

─ 李禹煥『余白の芸術』より

『DODO MEGURI』は、視点を少しずらすことで、

すでにそこにある風景や営みをより鮮明に見つめなおすためのローカルガイドで

す。

2025年8月