text : Yosuke Matsubara

Date: 2025.08.09

宮古島には砂川美恵子さんという宮古上布制作に長年携わっている染織・織作家がいる。

美恵子さんは20代の頃から藍に触れ、このかた約半世紀の藍の大ベテラン。

若い頃に藍に出会い、魅せられ、世界の藍の旅に出た。

当時の美恵子さんはお母さんが心配するからといって、『旅行ツアーで中国を巡る』と旅行会社の添乗員もいる旅行企画で中国に出かけた。

しかし、実際は地球の歩き方一冊を片手に藍を追いかけて、未知なる中国の山奥の極地にひとりで挑んだ。

クレイジージャーニーのように移動の飛行機からバス、トイレ事情まで当時のことをとにかく楽しそうに話す美恵子さん。この夏、美恵子さん講師のもと『藍染めワークショップ』を開催することとなった。ぜひとも。

藍については2021年のエルメスの企画で詳しく。こちらもぜひとも。 映像もいいけど、音声はもっと美恵子さんワールド。

かつて宮古島は海に沈んでは浮き上がってまたまた沈んでと、まるでお風呂にでも浸かるかのように繰り返していたらしい。

ここ最近は何度かこの話しを聞く機会があった。

宮古と言えば雨の降らない乾いた島の大地を太陽が照らし続けたことが、足元で地面を鳴り響かす雨乞いの踊りとして各集落に誕生したり。

はたまた時折降り注ぐスコールが50年に1度の大雨となったり。

天災に翻弄されながら宮古島は反復的に歩んできたことがいまこうして目の前で起こっている。

先人たちはこれを自然の摂理として受け入れ営みを続けてきた。

先日、美恵子さんの畑で藍を収穫する機会があった。

美恵子さんは朝の誰も起きていない時間帯から収穫を始め、陽が完全に上る前に畑仕事を終える。

最近足を傷めて畑に出れてなかったようで「みんなで収穫したら早いね」と。
月や野鳥のことが誰よりも大好きな美恵子さんは自然の摂理そのものなのかもしれない。